こざかなの素

健康は大事

定型から非定型へ

とても興味深い内容でした。

toyokeizai.net

私はアスペルガー症候群の診断が出て、人生半世紀過ぎてから障害者手帳を持つことになりました。
それまでは「定型発達」の人として働いてきましたが、ずいぶん周りに迷惑を掛けていたのだと分かり、今更ながら反省と後悔をしています。
自分の我(こだわり)を通してしまっても、上司や同僚は許してくれていたのです。

 

ある日、職場の同じグループの人全員でランチ(割と豪華な場所)に行く話が持ち上がり、私もメンバーに入っていましたが、丁重にお断りしたことがありました。

胃腸が弱いのか、ストレスが原因なのか分かりませんが、突然腹痛が起こり、お腹を下すことがよくありました。大腸内視鏡検査もしましたが、特に異常はなし。
しかし、勤務中にトイレに駆け込み30分ほど腹痛で悶絶することも多々あり、自然と外出先で胃腸に刺激を与えることを避けるようになりました。まともな昼食を取ることも減っていき、座席で仕事しながらコンビニで売っているマドレーヌやフィナンシェで済ますという、かなり滅茶苦茶な食生活でした。

そんな日々が続いていた時に持ち上がったのが豪華ランチの話でした。
今思えば社会不安障害の延長で外食恐怖も併発していたのかもしれません。とにかく胃腸に負担を掛けてはいけない、と思っていたので、申し訳なさいっぱいでランチのお誘いを断りました。

そして後日、さらに申し訳なさを助長する出来事がありました。
そのランチ会は同僚だけでなく上司も参加していたのですが、
「モさんは行けなかったから、これどうぞ」
とランチの代替品(更に更に申し訳ないが品物を覚えていない…たぶん菓子折り)を用意してくださったのです。
いち派遣社員のわがままも受け入れてくれていた当時の上司と同僚には感謝しかありません。
退職直後の数か月は何人かと連絡を取り合っていましたが、今は疎遠になってしまいました。障害があると分かったことも、当時の無礼も謝罪する術がないままです。

 

記事中にあるケンイチさんの考えに共感するところが多くありました。
定型の人たちの真似、本気じゃないなら言わなきゃいい、そのときに言ってくれればいいのに、等々……。

それから「同調圧力が比較的強い日本より欧米社会のほうが生きやすいという話はよく耳にする」という一文は私自身も思い当たる経験がありました。

20代後半に(欧米ではないが)中国に長期留学しました。
日本人留学生が少ない大学で、その少ない日本人はほぼ全員変わった人(個性的という良い意味)でしたが、とにかく毎日楽しかった!
他の国の留学生や中国人の先生や阿姨(あーいー:宿舎の掃除や雑事でお世話になったおばちゃん)も適当な人が多くて(笑)、とても暮らしやすかったです。

帰国して、時間通りに来る電車に逆カルチャーショックを受けたくらい。それくらい馴染んでいたということは、自分は日本で暮らすのはあまり向いていないのかも、と思った覚えがあります。
何のことはない、アスペルガーだったからなのですね。

親から「出ていけ」と言われたから出て行ったのに、それで何でまた怒られるんだ? と私も思ってしまいます。言葉を額面通りに受け取るので、その「矛盾」に混乱してしまいます。それこそ「本気じゃないなら言わなきゃいいのに」です。
人の気持ちを察することが出来ない、にも繋がりますが、定型発達の人は「出ていけ」という言葉の奥の真意を理解出来ることがすごい。言葉にしていない心まで分かるとは、超能力者か? と思ってしまう(ちょっと卑屈)。

特性の凹凸で定型・非定型分けることなく、それぞれの特性を生かせるようになれば、グレーゾーンの人も生きやすくなりそうな気がします。