こざかなの素

健康は大事

針生検—持病回想録(4)

(前回のお話)

kozakanam.hatenablog.com

紹介状とクリニックで撮影した画像を持参し、連携先の大学病院へ向かいました。
そこで初めて今の主治医となるK先生と出会いました。

針生検

紹介状と画像を持参して、大学病院の外科を受診しました。

初めて会ったK先生は、最初に受診したクリニックで月1回の外来診療をされている方でした。
あらためて超音波検査を受けたところ、しこりのあった右側だけでなく、左にも怪しげなものがあると分かりました。そのため両側とも針生検ということになり、自分のことなのにどこか他人事のような感覚で、
(何だか大変なことになっているらしい)
と、心が追い付かないまま話は進んでいきました。

麻酔をしてからしこりに針を差して組織を取るので、検査自体の痛みはほとんどありません。どんな検査になるのか連休中にいろいろ調べたので、大きな音がするというのは知っていましたが、本当にホチキスのような「バチン!」という音がしてびっくりしました。どんな仕組みになっているのか興味が沸いて針生検の様子を見たかったのですが、体勢的にどう考えても無理でした。見えないことが不安を増長させます。
右側はしこりが大きいので難なく終わりましたが、左側は怪しい部分がかなり小さかったらしく、針の位置を定めるのがとても難しいようでした。

検査の後、痛みが出るのでは、と少し不安だったので、薬局の薬剤師さんに相談してから鎮痛薬を購入して帰宅しました。
幸い、麻酔が切れた後も針を刺した箇所の痛みは全く出ず、腫れたり熱を持ったりすることもなかったので薬は服用せずにすみました。

K先生の第一印象は「何だか飄々とした人」でした。優しそうでもなく、怖そうでもなく、淡々とした感じで診察を進めていきます。
ネットでよく「セカンドオピニオンをおすすめする」と書かれている記事を目にしますが、私は針生検の手際の良さでK先生の信頼度がアップしたのでセカンドオピニオンは行いませんでした。自分の直感は大事です。

針生検の結果は2週間後。待っている間は不安とそわそわで思いの外ストレスでした。

 

針生検の結果

検査から2週間がたち、結果を聞くために病院を訪れました。

まず、左側は良性とのことで問題なし。
しこりの大きい右側は、ステージⅢbの診断でした。
当時の日記には「ホルモン受容体(陽)」「HER2(陰)」という記述があり、「ホルモン療法が効く……らしい(まだよくわかってない)」と続いていたので、今更ながら調べたところ、どうやらサブタイプとしては「ルミナルA」に相当する病態のようでした。

K先生から一通り検査結果を聞いた後は、腫瘍マーカー値を確認するため採血し、転移の有無を見るため、次回はCT検査となりました。
CTは造影剤を使うので、診察が終わった後に病院内にある医療連携センターで検査の流れなどの説明を聞き、同意書にサインをしてこの日は終了しました。

この「医療連携センター」はこの日以降、各種検査や入院時に頻繁に利用することになります。同時に細々とした書類が増えていき、病院に行く時はA4サイズのクリアファイルと印鑑を必ず持参するようになりました。

 

針生検結果の2日後

借りていた画像を返却するため、初診時のクリニックを訪れました。
右側のしこり部分の皮膚がふやふやになり、擦ったら破れそうな雰囲気なので軟膏を処方してもらいました。赤みを帯びていたしこりは既に皮膚浸潤が始まっていたので、下手すると流血沙汰という大惨事になりそうでした。ここまで放置した自分が悪いのですが……。
軟膏は皮膚の上に直塗りするのが怖かったので、患部の大きさに合わせて切った医療用ガーゼに軟膏を塗り、その上に同じくらいの大きさの脱脂綿を重ね、サージカルテープで固定、という処置を行いました。

失業保険受給中だったので、クリニックに行ったその足でハローワークに出向き、職業相談(という名の実績作り)をしてきました。実際は「職業相談」というより「これから癌治療が始まります」という報告でしたが、特に問題なくあっさりハンコを押されて終わりました。

求職活動と治療の同時進行は、後に体調の関係で調整に苦心しましたが、これも追い追い記していきたいと思います。

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