こざかなの素

健康は大事

検査と告知—持病回想録(2)

(前回のお話)

kozakanam.hatenablog.com

今まで気になっていた「しこり」の正体を見極めるべく、近所のクリニックを訪れました。

検査と告知

そのクリニックは仕事帰りや休日によく利用していた総合スーパーへ行く通りにあり、看板だけは見知っていたので以前から気になっていた場所でした。予約不要ということもあり、本当に気軽に訪ねた感じです。
飛び込みの初診でしたが、問診の後、すぐに各種検査をすることになりました。乳癌検診の基本であるマンモグラフィと超音波検査です。
別室で検査着に着替えて、人生初のマンモグラフィ検査へ向かいます。

余談ですが、私は痩せ型で、検査当時のBMIは約16でした。横から見ると全体的に薄っぺらい体型です。当然胸板も薄く、小さな脂肪の塊を技師さんは必死に検査板に挟もうと頑張ってくれました。
背中をぐいぐい押されているうちに、何となく視界が白くなりはじめ、血の気が引き、冷や汗が流れ、吐気のような感覚がじわじわと押し寄せてきました。何度も体験した「貧血」というやつです。
すぐに技師さんに体調不良を訴えて、片側だけ撮影した状態で中断することになってしまいました。

超音波検査をする薄暗い部屋で横になり、30分ほど安静にしていましたが、その間にも冷や汗と寒気が止まらず、技師さんたちを待たせていることもあって、情けないやら申し訳ないやらの気持ちで一杯になりました。

体調が落ち着いてから、横になったまま先に超音波検査を済ませ、その後マンモを再開したのですが……
残りの片方を挟んだか挟まないかの記憶は曖昧で、気が付いた後に見えた風景は天井でした。
何が起こったのか全く分からず、「あれ?何で天井が見えてるんだろ?」と頭の中にハテナが押し寄せてきました。
天井が見えている。ということは、床に寝ているということ? 何で?
どうやらマンモの途中で気を失って倒れたらしいです。直前に貧血を起こしているので、正確には「脳貧血」でしょうか。これまた人生初の経験でした。学校の全校朝礼でも倒れたことがないので本当にびっくりしました。

床の上に横たわった状態で再び安静モードに入り(重ね重ね申し訳ない)、もう片方のマンモ画像は撮れたのか定かではないまま、体調が安定したところで起き上がり、検査の結果を聞くため診察室へ移動しました。
待っていた先生は非常に険しい表情で、「検査中に倒れたから心配しているのかな」と思ったのですが、そうではありませんでした。

開口一番、先生から家族構成を尋ねられました。
旦那さんは?と聞かれたので、「あ、独り身です」とサラッと返答。
何でそんな質問? と床に寝転がってしまった意外な体験で頭の中が少しぼんやりしていた私は、質問の意図が理解出来ずキョトンとしてしまいました。

撮影された画像を確認した後、先生は神妙な面持ちのまま「乳癌です」と教えてくれました。

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